食ひ初めに一族郎党春の昼

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  • みのる:春昼の季語解釈については、むべ解が的確。少し艶っぽい印象という意味で新婚家庭の初子を婿方、嫁方それぞれのご両親や兄弟などが一堂に会してお祝いしているのです。 - 2024/05/1(水)
  • 澄子:中七「一族郎党」という措辞が的を得てかつユーモラス。本日の主役、生後百日の赤ちゃんの一挙手一投足に一堂に会した親戚の視線は釘付け……そんな微笑ましい情景が浮かんできます。本人の記憶に残らずとも無意識無自覚に蓄積されてゆく幸せな感覚はその後の赤ちゃんの人生にとって大きな一歩。下五「春の昼」長閑ですが万物が輝き成長著しい季を感じます。 - 2024/04/23(火)
  • かえる:赤ちゃんのお食い初めのお祝いに、親族の皆さんが集まった春の日なのですね。赤ちゃんのちょっとした仕草も、大人の笑みを誘い、和やかな時間が流れているのでしょう。赤ちゃんの生まれ月によりますから、季節は夏でも秋でも冬でもお食い初めの舞台になりますが、若芽伸びゆく春は赤ちゃんの健やかな成長のイメージとぴったり。季語と句意が合致してより素敵になっているように思いました。 - 2024/04/22(月)
  • むべ:春の昼という季語は、穏やかでのどか、少し艶っぽい印象がありました。ここでは生後百日のお祝いで集合した若夫婦の家かはたまたレストランか、賑々しくおめでたい感じが前面に出ているように思います。赤ちゃんが主役なので、夜ではなく昼、そしてふだんなかなか会えない両家のおじいちゃん同志はお酒も進み、おばあちゃん同志も会話が弾み…作者のポジションはおばあちゃんでしょうか。平和な時代に生かされていることへの感謝や、健やかに成長しますようにという祈りも感じました。 - 2024/04/22(月)
  • 康子:お食い初めは、赤ちゃんが生涯食べることに困らないようにと一汁三菜や歯固めの石などを一品ずつお口に近づけて食べさせる真似をします。主役はもちろん赤ちゃん。赤ちゃんのご機嫌が良くなるよう祖父母も交え皆んなで名前を呼んだり抱っこしたりガラガラであやしたり…それはそれは大賑わい。まさに「一族郎党」。ユーモアのある措辞に感服しました。そして、親族が集まり皆んなで赤ちゃんの成長を願う穏やかな儀式は「春の昼」の季語にぴったりだと思いました。 - 2024/04/22(月)